ニュージーランドの保育園はココが違う!日本との違い13選

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ニュージーランドの幼児教育と言えば、「テ・ファリキ」が有名。

でも実際には、どんな点が日本の保育園と違うのでしょうか?

本記事では、ニュージーランド保育園で10年勤務経験があり、子どもを保育園に通わせている親でもある筆者が、

  • 保育士という観点から見た、ニュージーランドと日本の保育園の違い
  • 親という観点から見た、ニュージーランドと日本の保育園の違い

についてご紹介します!

ニュージーランドで保育園になってみたいという方や、ニュージーランドの幼児教育に興味があるという親御さんはぜひご覧くださいね。

目次

ニュージーランドと日本の保育園の違い13選

1. 遊び重視のカリキュラム

ニュージーランドの保育園で、いわゆるお勉強的なカリキュラムと言うのはあまり見たことがありません。

まあ、言ってしまえば「ほぼ100%遊び」っていうわけですねw

ただ決して否定的な意味ではなく、「子どもの学びは遊びから得られるもの」という考えがあってこそ。

例えば、3~5歳のクラスには次のようなアクティビティが日々設置されています。

  • 図画工作のテーブル
  • 数についてのテーブル
  • 生き物についてのスペース
  • 大工仕事ができるスペース
  • ガーデニングができる家庭菜園スペース

↑こういう感じのと数字のラミネートしたやつを置いているテーブル、とかね。

大人からすれば「遊んでいるだけじゃん!」と思うことでも、子どもは新しい発見や学びを得て成長していくもの。

大人から「今日は数を学びましょう!」「ABCを覚えましょう!」と学ぶトピックを強制するのではなく、

子どもが興味などに応じて好きに遊んで、自然と数字やABCを覚えてくれれば最高!って感じです。

例外としては、4歳以上の子向けの「School Ready」プログラムで、プリントをする時間があることもあります。でもお昼の後とか、ちょっとした時間だけなので、基本は遊び!!

「先生が目的を決めて、そこに子どもを誘導する」教えはクローズエンド(Close-end)、「子どもが自由に遊んで、自ら学びを得る」教えをオープンエンド(Open-end)というんですが、

ニュージーランドの幼児教育では圧倒的にオープンエンドが支持されています。

中には塗り絵やテンプレートを使った図画工作はNG!それはClose-endだ!と廃止している園もあります。

2. 子ども主体のプログラム

ニュージーランドの保育園でよく聞くのが、「Child-led programme(子ども主体のプログラム)」

先生が、「みんなお絵描きしましょう~」「お絵描きの時間はもうおしまい!みんなお片付けしてください~」と時間を決めて、

子どもたちがそれに従わなきゃいけないというのがほぼありません。

先生がお絵描きや粘土を用意する時も、テーブルの1つを使用し、やりたい子がいるか呼びかけます。

そこでやりたいと言った子はテーブルに来て気の済むまで遊べばいいし、やりたくない子は別に参加しなくていいんです。

何をするかは、先生じゃなくて子どもが決めていいってわけですね。

3. 入園・卒園の日が全員バラバラ

ニュージーランドの保育園には入園・卒園の日が決まっていません。

入園は年中いつでもOK、卒園は(基本的に)子どもが5歳になるタイミング

多くの子が5歳の誕生日がお別れ会みたいな感じで、その後小学校に入学します。

つまり3月誕生日のAくんと10月誕生日のBちゃんは、小学校の入学日がそれぞれ3月と10月というわけ。

とても珍しいシステムですよね。ただ、4月生まれと3月生まれが同学年のくくりと言うのは難しい時もあると思うので(特に未就学児は)、

ニュージーランドのシステムも悪くはないのかなあと思います。

当然、入園式&卒園式もありません!

また、保育園では「進級」という概念も薄く、

年齢&その子が次のクラスに行けそうかというのを先生と保護者で話し合ってクラスを移ることが多いです。

4. ピアノがない

日本の幼稚園&保育園には必ずピアノがありますよね。

ニュージーランドでピアノを置いている園は珍しいのではないかと思います。

私も今まで10年近く働いてきて、ピアノのある保育園を見たことがありません!

代わりにウクレレを演奏できる先生が多いので、

マットタイム(歌の時間)にはウクレレを弾きながら歌ったりダンスしたりする光景をよく目にします。

5. オムツに名前を入れなくていい

オムツはオムツ替えの部屋に自分専用のカゴがあり、そこに入れるスタイルです。

ひとパックごと持ってきて「これなくなったら連絡して!」という親と、毎日バッグに少しずつ入れる親とに分かれますが、基本的にオムツに名前は入れません

オムツの名入れスタンプなんかも存在せず…

「なくさないの?」「他の子のものと混同しないの?」という意見もあるかと思うんですが、私が働いていたところではありませんでした。

少人数(1クラス10人くらい)&2歳以下だと子どもの手の届かないところにオムツを置く棚がある&そもそもトイレに子どもだけでいる状況にならない、というのが理由だと思います。

大人数クラス&2歳以上クラス(トイレの子とオムツの子がいて、子どもたちが自由にトイレにアクセスできる環境)だと、混同の可能性があるのかもしれませんが…どうなんだろう。

あとは、園で用意してくれるところもあります!

さらに、最近増えてきているのが布オムツの子。大抵、中のライナーだけ捨てて、あとはオムツを袋に入れてそのまま返却!スタイルです。

6. ふとんや手拭きなどは園で用意

ふとんや手拭きなど、備品は基本園で用意してくれます。

お気に入りのブランケットやスリーパー、ぬいぐるみを持ち込むのはもちろんOK。

親としては持ち物用意の負担がないのはいいですが、

(洗っているとは言え)ふきんは自分専用のものではないので、気になる方もいそうですね。

7. タトゥーやピンク髪の先生もいる

ニュージーランドの先生たちは、「先生だからこんな格好しなきゃ」というのが少ないと思います。

タトゥーしたり、ピンク色に髪を染めたり、鼻にピアスしたりしていても文句を言う人はいません。

そもそもニュージーランドの先住民・マオリ族にとってタトゥーは文化だし、インド人女性は鼻ピアスをしていますからね。

ネイルも清潔かつ長すぎなければOKのはず(ネイルしていて文句を言う人は見たことがない)。

服装も基本的には自由ですが、露出の多すぎる服NGなどは園によって規定があると思います。

私は勤務中に破れたジーンズをそのまま履いていて、注意されたことがあります…。ごめんて、でも替えなんて持ってきてなかったんだってば。

8. プリンセスドレスで登園OK

日本だと子どもの服装にフードはNG・スカートはNGなど規定があると思うんですが、NZは特になし!

エルサ(アナと雪の女王の)のプリンセスドレスで来る子もいます。

ただ、安全面を考えれば日本のように服装を規定したほうがいいのかもしれませんね。

9. ドレスコード指定の登園日が多い

服装に関してですが、ドレスコード指定の登園日が多いです。

園によりますが、娘の通う園では現在月1くらいでドレスコード指定されます。

ドレスコード指定の一例は次の通り。

  • パジャマデーだからパジャマで来てね!
  • Daffodil day*だから黄色い服で来てね!
  • Pink Shirt Day**だからピンクのトップスを着てきてね!

* Daffodil Day… 水仙の日。がん患者をサポートする日
** Pink Shirt Day… いじめ反対の意思を表示する日

色々なドレスコート指定があるので、いろんな色の服を用意しなければいけません…w

ちなみに「強制」ではないので、着ていかなくても文句は言われません。

10. 多文化・多様性を尊重したクラス作り

ニュージーランドは、先住民族のマオリ、次に入植してきたヨーロッパ系移民(Pakehaーパキハ・パケハ)、近くの太平洋諸国(サモア・フィジー・クック諸島など)からの移民・その他世界中からの移民が構成している多民族国家です。

当然、幼児教育の現場でも、様々なバックグラウンドを持った子ども・スタッフがいます。

そのため、クラスでは多文化や多様性を尊重する姿勢が徹底しています。

  • 世界の国の挨拶をする歌を歌う
  • 旧正月やディワリ(インドの祝日)を祝う
  • マオリ語を日常に取り入れる
  • マオリの習慣・歌を教える

特にマオリ語・マオリの習慣や文化の教えは、もはや「当然」で、

歌の時間にはマオリ語の歌を必ず歌ったり、

「座って」「手を洗って」などの指示はマオリ語でしたり、

マオリの教えから食べ物を遊びに使わない(お芋スタンプとかNG)・寝るときは頭と頭が隣り合わせるように配置する(頭と足ではなく)というのが徹底されていたり、

私がNZで保育士を始めた10年前と比べてもマオリ教育はかなり浸透してきたなあという感じがします。

11. 手の凝った壁面制作は不要

日本の保育園・幼稚園って壁面制作が多いと話題になりますよね。

ニュージーランドも壁面に色々と飾りますが、基本的には子どもの図画工作・活動の写真ならびに説明がメインです。

私は「先生が頑張って作った切り絵などの壁面よりも、子どもの作品が見たい&写真が見たい」と思うので、ニュージーランドのほうが合ってるかなあと思います。

そもそも先生の壁面制作いらなくない?

カエルや雪だるまの切り絵を作る先生方は素晴らしいと思うんですが、子どもの様子がわかるものを貼ったほうが親的には嬉しいかな…と思うのですが…どうなんだろう。

(もちろん制作している先生たちへ言っているのではなく、そういう方針かつ持ち帰りでやるように強要している園への疑問です…)

12. 保育料は馬鹿高い

ニュージーランドの保育料は、目ん玉が飛び出るくらい高いです。

あくまでも一例で、私が以前勤務していた園は2歳以上1日フルタイムで75ドルくらいでした。

1ヶ月20日として、1500ドル…!!!!!

2歳以下はもっと高いです(配置基準の関係から)。

兄弟で入れている場合、片方の親のお給料ほぼ保育料で飛ぶのでは…?って感じですよね。

ただ、3歳以上になると政府から20時間無料で補助が出るので、負担額は下がるんですけどね。

にしても保育料は高いです(2回目)。

でもだからこそ、NZの保育士のお給料は平均くらいだと思うので、しょうがないかなあと思います。

13. 残業・持ち帰りはほぼなし

最後に、保育士として働く側の視点。

残業はほぼないです。

同僚が具合が悪くなって先生が足りない…という時に「今日残業してくれない?」ということはありますが、基本的には定時で帰れます。

また、書類仕事をする時間が最低でも週に1回はあるので、

その時間を上手に使えば持ち帰りもしなくていいです。

でも、時間が足りなくなったらあとは自己責任で持ち帰りで仕事もあり。多分月1~2時間くらいでしょうか…?

他には、休日に次のように時間を割くこともありますが、本当にたまにです。

  • Professional Development(PD)という研修…土日のことが多い
  • 人事評価のために自分の仕事に関する振り返りをレポートにする時間
  • PDをチームで共有するために種類にまとめる時間

うまくやればやるほど持ち帰りはほぼなくなるかなと思います。

まとめ

総括すると、

「ニュージーランドの保育園は良くも悪くもおおらか」

だと思います。

細かいことは気にせず、子どもが楽しく元気に通ってくれればOK!自分の好きなことを好きなように学んでくれたら最高!という

親御さんには向いているのかなあと思います。

また、壁面制作みたいな仕事はないし、残業なども少ないので、保育士には働きやすい環境だと思います。

ニュージーランドの保育に興味のある方の参考になれば幸いです!

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